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「峠の水」が復活―。福井豪雨で土砂に埋まった福井市西河原町のわき水の飲み場の整備が、地元有志の手によってこのほど完成。県道脇に案内看板が設置された。整備に携わった住民は「多くの人に知ってもらい、地区活性化につながるとうれしい」と期待を込めている。
同町の集落から北へ約500メートル、県道武生美山線の脇に出ている水は、地元で「峠の水」と呼ばれる。県道が開通した大正初期以前、水飲み場の近くには絶壁の難所があり、大野や福井へ集落の人が出るときは、家族がここまで付き添い、水を一緒に飲んで無事を祈り送り出したといわれる。県道ができてこの習慣はなくなったというが、その後も森の仕事や農作業で渇いた地元住民ののどを潤してきた。
しかし2004年の福井豪雨で「峠の水」がある一帯も被災。近くの山から土砂が流出し、飲み場は完全に埋没した。その後は、土の合間から水があふれる状態が続いていたが、西河原町の集落自体が豪雨で多大な被害を受けたため整備に手が回らず、そのままになっていた。
昨年夏、荒川吉男さん(62)と清水清一さん(77)を中心に同町の60―70代の8人が「子どものころから飲んできた大切な水。このまま放っておけない」と結束。地主の藤本政男さん(65)も加わり、重機で土砂をどけ、数10キロある大きな石を並べて水路を造り、砂利で足場を整えるなどして6月に整備を完了した。水量は毎秒約500ミリリットルほどで、年中変わらないという。
案内看板は、豪雨から復活した水の存在を多くの人に知ってもらいたいと設置。看板は高さ約2・5メートル、幅約50センチで、道行く人の安全も願って「祈交通安全 河原 峠の水」と書かれている。
清水さんは「この水は西河原の石灰岩で磨かれ、とてもおいしい。多くの人に飲んでもらい、手作りの飲み場に親しんでほしい」と話している。
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